市場参加者を理解する
株式市場には様々な参加者がおり、それぞれの思惑や保有期間、保有目的は千差万別です。
自分もその1プレイヤーなのですから、相手の動向を見張ることも当然大切になりますよね。
今日はそういった観点から市場の動きを見ていきたいと思います。
市場参加者が1つ意識する点として「時価総額」があります。大口投資家は自分の注文1つで株価が値崩れしてしまうような時価総額の小さい銘柄にはあまり手を出さない傾向にありますね。
逆に言えば、時価総額の大きい銘柄は大口投資家のメイン市場です。彼らの思惑によって株価は動くため、彼らの意図を汲み取って流れに乗っていくことが大切になります。
私の経験則上、時価総額の大きい銘柄が寄付でGUあるいはGDした場合、寄り付いた後は高確率で逆方向に動きます。
これは、利益確定や押し目買いの動きがあることも確かですが、大口の思惑が絡んでいるのではないでしょうか。要するに、GU(あるいはGD)→短期資金目的の投資家が群がっている状態→寄付後、大口が資金力に物を言わせて、GUなら売り仕掛ける(GDなら逆)→株価が反対方向に動いたことに狼狽し、短期資金目的の投資家が損切りに動く→さらに株価の急落(あるいは急騰)に拍車がかかる→大口が買い戻す(売り抜ける)という流れです。
大口の資金力がないとできない芸当ですね。
しかし、GUした後もさらに続伸するケースもあります。これは①明確なトレンド転換、②寄付新高値更新、③中長期保有目的の買い(あるは売り)が多く入っているため、狼狽売り(買い)が出ない、以上3つの場合に多い気がします。
①については、下降トレンドにあったチャートの上値抵抗線を突き抜けてGUした場合によく見られます。特に週足等の長い目で見たトレンド転換はより大きなエネルギーを持っていると言えます。
例えば、上の第一三共(4568)のチャートが良い例だと思います。5月中旬に上昇トレンドが崩れ、下降トレンドに転換していますが、6月中旬に自社株買いを発表(緑の矢印)したところで大きくGUスタートを演じています。通常なら、ここで大口が売り崩しにくるところですが、トレンド転換で「中長期で持てば儲かる」と思っている投資家が多いため、狼狽売りが出にくい可能性があります。そこで、大口も売り仕掛けるリスクが高い(あまり株価が下がらない)と判断し、買いに転じるわけですね。
結論は、その後イギリスショックで大陰線となった日も下降トレンドだった時の上値抵抗線が支持線となっています。
②の「寄付新高値更新」については、大口投資家の性質が大きく関わってきます。彼らは何度も連続して高値を取りに行く(あるいは何度も安値を売り崩す)と、株価への関与度が大きいため相場操縦の疑惑に問われる可能性があるのです。よって、新高値や新安値近辺の銘柄には手を出しづらい傾向があります。ですので、材料が出て、今後の見通しにも変動がなければ、寄付新高値は素直に買い、寄付新安値は素直に売りが良いでしょう。
上図の西松屋チェーン(7545)が良い例ですね。緑矢印のところで、好決算発表を受けて株価は大幅GUスタートとなりました。そして、寄付後も続伸。翌営業日も大幅続伸となっています。
③「中長期保有目的の買い(あるは売り)が多く入っているため、狼狽売り(買い)が出ない」は大きな材料が出て、保有者たちが「中長期で保有していれば儲かる可能性が高いだろう」と判断しているケースですね。大口投資家が売り崩しを狙っても崩れないどころか、逆に踏みあげられる可能性すらあるので、なかなか手が出せません。
為替:外国人投資家
上図のそーせいグループ(4565)は熱心な信者の方が多い銘柄として有名ですが、緑矢印の時点で子会社に好材料が出ました。GUでの寄付きとなりましたが、中長期的な業績向上への期待から寄付後も買われたことが伺えます。直近ではトレンド転換も見受けられますね。
バイオ系の銘柄は将来への期待感が大きいため、株価が大化けする期待感から上がりやすいですね。逆に、先日のアキュセラショックのように、期待が剥落するとあっという間に株価は急落しますが…。
最後に、大口投資家市場のメインプレイヤーは外国人投資家です。彼らにとって最もリスクとなるのが「為替」です。よって、為替には相当敏感に反応してくると思って良いでしょう。大幅に円高に振れた際には、円安恩恵銘柄が寄付き以降も売られる可能性が大きいので、注意が必要です。
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